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ミコちゃんの部屋07

今年になって7年前の脳梗塞発作からの再起をかけて、リハビリに励んでおられた免疫学者の多田富雄先生が逝去されました。

3年前のリハビリ点数改定の折には、いかに患者さんにとってリハビリが大切なものであるかを世間に訴えて活動された先生として私の頭の中には記憶されていました。

その多田富雄先生は能に造詣が深い方で、能の鼓をうつことを趣味とされ、創作能も手がけられ、昨年は白州正子さんにささげる能の脚本を作られて、NHKで放送されたこともあります。

脳卒中で失語・半身不随の体をリハビリに何年間も努力され、頭脳を使った活動をどんどん行っておられました。

この先生の書かれた能の本を最近探し当てました。この本は、病気になられる前に書かれたものです。

『能の"劇"は登場人物が皆、舞台の橋の向こう側から現れる。時にはあの世からの幽霊の姿で。時には何百里も離れた里から我が子を求める狂女となって。時には、聖なる世界から天降る神として。時には、美しい花の精霊として橋を渡ってやって来る。

「あのひとたち」は舞台という私たちのいる「この世」の到着すると、私たちの代表である旅の僧*と出会う。*僧は説明役としてよく出てくる

「あのひとたち」はある時は成仏出来ない苦しみを嘆き、あるときは奥深い心の悲しみを訴え、あるときは聖なる心の現れを、あるときは人間の煩悩の苦しみを、女の嫉妬を、男の誇りや念を、老いの嘆きや超越を現して、静かにまた別の世界、すなわち橋の彼方へと消えてゆく』

とあります。

私たちが能楽堂に見に行く"あのひとたち"は、第一が天降る神々や精霊、第二は幽霊、第三がいま現実に生きている"あのひとたち"です。

そして"あのひとたち"に出会い、その体験をつぶさに聞き、その苦しみを救い、精神的な高揚と超越に触れてみることが出来るのです。

大変レベルの高いじげんの話で、なかなか取り付きにくいのが現実ですが、わかってみると素晴らしいものなのでしょう。

私としては、ここで出てくる老いというもののとらえ方が大変興味深いと思うのです。

能の中での老い追求してみたいと思います。

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米谷美津子

米谷美津子

駒沢診療所の所長。現役医師。
駒沢ウェルネスセンターや、駒沢健康クラブなどの施設・団体も運営している。

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